酒蔵に眠る価値ある秘蔵の熟成酒を発掘
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嘉永2年(1849年)創業。 2代目熊吉が現在の地に200年の歴史を持つ酒造庫を譲り受け現在の原型に。また熊吉が大の相撲ファンであったことから酒名も「東力士」と名付けられた。 第一にこの地の水の良質さ。那須岳より湧き出る関東随一の清流・那珂川は、中流域は自然公園に指定保護され、流域は魚類が豊富で天然アユも生息する。この中硬水の伏流水を仕込水とし、恵まれた自然環境の中で酒造りを行っている。 伝承の技によるお米の旨み、甘みを存分に表現した「旨口酒造り」にこだわり、地酒秘伝の甘口を守り、そしてより旨い酒を追求している。小規模に丁寧な造りで守り続けている味だ。 大変特徴的な所は、貯蔵庫として洞窟を持ち、日本酒の熟成、味わいづくりに挑戦し続けていること。日本でワインカーヴのような地下貯蔵庫で寝かせている酒は大変珍しい。
1970年に大吟醸酒を中心とした長期熟成酒への取組みを開始。 長期にわたる貯蔵・熟成の経験と、古酒復興の先駆者の蔵元として、現在も新たなる日本酒の味わいの創造に向け、熟成酒を大事に育て続ける。 この地下「カーヴ」は年間平均10度前後で安定、日光がまったく差し込まない漆黒の闇は、熟成酒を育てるにはこれ以上ない最高の環境といえる。総延長600mの巨大空間には、現在も約10万本の様々な“酒”が眠っている。
現6代目当主の島崎健一は、この地の酒についてこう言う。 「地元のレギュラー酒は日本酒度は−8と大変甘口。 ここは山深いところで、当然海はありません。 海産物は塩漬けの保存食となり、塩分の摂取量が多い土地柄です。 また昔は農業・林業など肉体労働系の仕事が多く、どうしても塩分の多いものと甘いモノが重宝されてきました。 東力士の酒が甘いのは、地域にニーズにあわせて酒造りをしてきた為であり、地域の人々が作った味だと考えています。 だからこそ、この地の酒の味わいを残していきたく、東力士はかたくなに昔ながらの甘口の味を守り続けています。熟成に向いた酒でもありますし。」 父の代から受け継いだ大吟醸の長期熟成酒を、元来の華やかさが落着き、ゆっくりと深みを備えていく過程を見守り続けていくことにも通じるのだろう。 この熟露枯の古いものは、ナッツやカラメルを思わせる様な香ばしい熟成香と快い余韻のある深みある味わい。食後酒に少量愉しむのがちょうどよい。 長期の熟成による落ち着いた香草の様な熟成香は、ゆったりとした時間にこそふさわしい。島崎さんの造る地元の伝統的な甘みある味わいは、ひとりじっくりと向き合う場に最適な酒といえる。 上野伸弘
上野伸弘
「洞窟内熟成」は、東力士独自の熟成スタイル、酸味の安定した落着きある個性となる。さわやかでフレッシュなアタックが持続的に、しかし徐々に落ち着きを感じさせるテイスト。通常のコハク酸由来の酸の重みと違い、きれいな酸味が軽やかさを生み飲んでいて飽きさせない。私にとってゆったりと時間とともに変化を愉しむ熟成酒。重厚に奥深い複雑味を堪能させてくれる、というより熟成酒の幅を感じさせる軽やかな酸味の逸品。他にまねのできないカーヴ熟成を守り続けるスタイルは、日本酒熟成酒の世界発信に大きく寄与しており、伝統を守る価値を実践し示してくれています。 上野伸弘
商品コードA102-006
製造元島崎酒造
原産地栃木
商品別特殊表示瓶口にカビが生えることがあります。
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