ウロコ
秘蔵酒とは

訳あって秘蔵 〜眠った価値を掘り出す〜
とびきりの熟成酒と出会いは運命的。安定的に供給されるものの価値とは違った、一期一会の魅力。
蔵人の思いや市場との相違、数量の問題…、様々な理由にて蔵には良質の希少価値が眠っています。
隠れた秘蔵酒を世に送り出すことで、日本酒の奥行が広がり、日本酒全体の価値を大きく拡げます。
そこには造り手や携わる人々の物語が存在、大量生産・消費とは違う、あなたが感じ得る価値です。

 
刻が磨く価値
仕上がり提供されたそのもの、ではない「刻(とき)」の付加価値にこそ、
私たちが探検し、見つけ愉しむ、自分だけの静かな喜びがある。
酒にはそんな嗜み方もあると、私は提案・紹介したいのです。
磨き上げられ琥珀に輝く酒、価値ある熟成酒に出会うと、
これらは現在の日本酒シーンには収まりきらない、
圧倒される魅力に満ち溢れているのです。
かつて江戸時代以前では、古酒とは上質な酒として認知され追求された酒でした。
今再び日本酒熟成酒、これから日本酒に幅を与えてくれる価値なのです。
  

熟成酒の楽しみ方おすすめ

とびきりの熟成酒の楽しみ方に、決まりはありません。
人それぞれ、酒それぞれ、思いや時間を楽しんで、くつろいで。
とはいえ、こんなマリアージュをよくおすすめしておりますのでご参考まで。

熟成酒&チーズ〜これは定番です〜
熟成酒と乳脂肪と程よい塩分、組み合わせによって様々な相性を見せます。
ライトな古酒&熟成の浅いミモレット。
フルタイプな古酒&熟成の高いパルミジャーノ。
長期の熟成酒には、ウオッシュタイプのチーズや、複雑味あるチーズも。
できれば、古酒のウオッシュチーズがあれば、嬉しい!

熟成酒&スモーク〜新酒では難しいが・・〜
日本酒はタバコやシガーと合わない、と言われますが古酒は例外。
古酒はスモーキーさを受け止め、膨らませる十分な味わいを持っています。
スモークと旨味のある食べ物は、なお一層の豊かな味わいへ。
一般的な薫製食品の他にも、
梅干し、豆腐、味噌、いぶりがっこ・・・和の食材は合わせて楽しい!

熟成酒&スウィーツ〜意外な贅沢感〜
古酒の持つドライフルーツの香り、ナッツの香ばしさ、蜂蜜やチョコレートの味わい。
これは当然、スイーツの特性とよく合うのです。
上手な組合せは、時に素晴らしいハーモニーを奏でます。
軽めな古酒&ソフトなドライフルーツ。
熟成感ある古酒&深みあるチョコレート。
大人の「飲むスイーツ」、これが決まればかっこいい!

熟成酒の保存は?

日本酒には常温保存のものと、冷蔵保存のものがあります。
長期保存をする時には、大吟醸など繊細なタイプは低温管理が望ましいです。
一般には常温保存で大丈夫。(熱処理しない生酒のタイプは熟成には向きません)
直射日光や蛍光灯を避ければ、さほど神経質にならず瓶熟成を楽しんでも。
始める時の新聞紙に包み棚の奥へ、そんな気楽な楽しみ方をしています。
 

飲み頃は?

今流通している最も古いお酒は、おおよそ40・50年前のものでしょう。
古ければ良い、とも限りません。
様々な醸造法や取り置きの仕方によって、熟成の進み方も色々。
飲み手の好みも感覚は人それぞれです。
今熟成する日本酒は、復活へ歩み出し科学的な研究もされ始めました。
ワインほど気を遣わずに、一度開けた後に経過をテイスティングしてみる。
そんなあなたの飲み頃やタイプを、探究してみてはいかがでしょうか。

古くなると酢に?

長野県の大澤酒造には、300年前の酒の話があります。
1689年(元禄2年)の酒を開栓したところ、素晴らしい芳香で
100年もののシェリーのようだった、と言われています。
かつての日本酒は加水量が多かったり、アルコール度が低かったり、
容器も密閉度が低い場合があったり。
そのような場合では、空気中の酢酸菌が酒の中に入り酢のように、
ということがあったようです。
また、日本酒やワインの醸造酒は、酢酸発酵をさせて米酢やビネガーを
造られることから、俗説的に酒は古くなると酢になると言われたようです。
 

ヴィンテージで楽しもう!

中国の古い慣しに「女児酒(nyuiarucyu)」という、女子が生まれたら
甕の紹興酒を求め、結婚する時に持たせるというものがあるそうです。
ワインではよく、誕生ももちろん記念すべき年のボトルを取っておく、
そんな未来への酒の楽しみ方があります。
では、日本酒は?
年を重ねて味わいを深める酒、そんな楽しみ方が徐々に増えてきています。
そうなると、ヴィンテージで楽しむ酒にもなります。
熟成と人生を重ねて後年に振り返り乾杯する心豊かなシーンへ、
記年美酒シリーズは年を揃えてご提案します。

香りで楽しもう!

古酒の魅力の一つ、香り。
リラックスさせてくれる、柔らかく包み込まれるような特徴。
新酒の吟醸酒の香りは、フルーティーで豊かな香りですが、
アルコール感の刺激的な印象があります。
対して古酒の香りは、ふくよかに漂う優しい香り。
余韻も長く、飲み終えたグラスでも楽しめるものです。
ストレスフルな現代、香りに注目して楽しんで見るのもおすすめです。
 

ブレンド・アッサンブラージュ

かつて日本がまだ豊かな時代でなかった頃、安く酒を造る手段としてブレンドされることがありました。
そんなイメージから今、時代は個性と個性を重ねより厚みやバランスの良い酒へ導く手段へ。
このプロの技術は味噌などと同様の深みある味わいを引き出すものです。
ワインやウィスキーの世界では製品の価値を高めるその技術こそ、ブランド価値となっています。
日本酒熟成酒の世界でも「美味しいものを提供する」というシンプルな目標のため、用いられることが増えました。
ソムリエ界の第一人者・田崎真也さん、世界的なウィスキーブレンダー・輿水精一さんなど、
世界に通じる日本酒へ、ブレンドという技術を用いることをご意見されています。

 

ジャパニーズリキュール・味醂

今でこそ調味料の一つと位置付けられる味醂。
かつて砂糖の精製技術が開発されるまでは、甘みを楽しむためのリキュールとしてのお酒でした。
長期に熟成された味醂は、香り味わいとも大変魅惑的。
シェリーのペドロヒメネス、長熟のバルサミコのような、素晴らしい旨味と余韻。
ここにコーヒーミルクを加えて、甘みあるカクテルに。
もちろん料理やデザートに、深みと香り溢れるアクセントにも。
チーズやアイス、フォアグラやトリュフの料理との相性は抜群。
旨味を生かした無限の可能性ある、興味深いお酒です。


味醂の色調には歴史的な変遷が見られ、古くは褐色をしていたもの。
しかし製法の近代変化により色が淡い褐色になったため、色の薄い味醂を、白みりんと呼ぶ場合もあります。
また、飲用に焼酎を加えた味醂は、「本直し」または「直し」、関西では「柳蔭」(やなぎかげ)と呼ばれていたりしました。
江戸時代、栄養補給などに重用されてきた甘いお酒は、まさに「米の酒のリキュール」「和のカクテル」、粋ですね。
古典落語に登場したり江戸時代から高級酒として親しまれ、甘味や栄養価から重宝されたお酒は、
深く芳醇な味わいと美しいテリ・色をゆったり愛でてじっくり落ち着き、、、忙しい時期の癒しタイムにおすすめ。
味醂1、焼酎2の割合で注ぎ軽く混ぜるだけ。
一切の調味や添加物を加えていない「本味醂」を使うことがポイント。
焼酎はぜひ、お米の香りが際立つなめらかな「本格米焼酎」を。


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