- 2008年
- 梅雨期7月までは平年よりやや多めの降水量であったが、8月からの降水量が非常に少なく、平年の半分であった。また、7月以降の積算温度も大きく平年を上回り、収穫時期に少し秋雨前線が重なったが、概ね良質のぶどうが収穫できた。


テイスティングコメント
色 |
オレンジがかった淡いピンク色。清澄度、透明度ともに良好。ディスクはやや薄めで粘性は控えめ。泡立ちはやや控えめ。 |
香 |
ボリュームは中程度。チェリーやイチゴの赤系果実の香りとともにシェリーを思わせる熟成香。 |
味 |
軽快で滑らかなアタック。酸はイキイキとしていているが丸みを帯びていてしなやか。果実味は中程度。熟成感とピュアな果実味が混在する。中盤で口中に広がる酸に優しい果実味が寄り添うバランスのとれた辛口で余韻も長い。 |
食 |
鰹のたたき、ヨコワあぶり、シンプルに塩コショウで調理した脂身の少ない赤身肉など。 |
食を引き立てる、バイプレーヤー
京都の食風土に寄り添う繊細なワイン造りの「丹波ワイン」は、1979年に先代の黒井哲夫氏が一から始めたワイナリー。廃業となった日本酒蔵を引き受け、そこから試行錯誤で手造りして始まります。1980年代にはワインの評価も上がり国際コンテストで受賞多数、スパークリングタイプが、フランスのコンクールで受賞もしています。
繊細な食を邪魔しない、引き立て役に徹する優しいワイン、当時から引き継ぐ理念。食材の宝庫と呼ばれる京丹波にワイナリーを構え、繊細な京食材の味を重視し「脇役」スタイルは、インパクトや個性重視の「主役級」現代ワインとは違う、食事シーンの演出家のよう。
現代表の黒井衛氏は、もっと日常にワインを楽しんで欲しいと、柔らかで繊細なワイン造りに女性の感性を生かしています。エノログ(醸造家)の内貴麻里氏をはじめ、多くの女性がこの優美な味わい造りに携わっており、このワインに多くの女性ファンがいることも肯けます。
「日本の食には強い飲み物は似合わない、ビールのような感覚でもっとワインに親しんでほしい。」そう語る黒井氏。
そんな寄り添うワイナリーに存在する強いこだわりのスパークリングは、一見似つかわしくないように思えます。京都といえば隠れ家のような名店が数多い所、格の合うようなワインもそっと大事に造っているのかもしれません。
13年熟成のシャンパーニュ方式の本格派、日本の食事をイメージし育てられるピノノワール主体の上品なテイストが、この価格では安いのではないかという気になる優れた発泡ワインです。輸入メジャーブランドのノンヴィンテージロゼとは比較になりません。
西山泰弘(PSCワイン担当・シニアソムリエ)
「丹波ワイン トラディショナル ロゼ 2008 750ml」について
原材料名 |
葡萄(京都産)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
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原料葡萄 |
ピノ・ノワール75%、ピノ・グリ23%、ピノ・ムニエ2%、合計3品種 |
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2019年デゴルジュマン |
アルコール度数 |
11% |
ブレンド
及び保存環境 |
3品種
瓶内二次発酵
定温倉庫内瓶熟成 |
容量 |
750㎖ |
ヴィンテージ |
2008年 表記なし |
生産本数 |
114本 |
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「ワイナリー」について


会社名 |
丹波ワイン株式会社 |
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TAMBA WINE Co.,Ltd. |
住所 |
〒622-0231
京都府船井郡京丹波町豊田鳥居野96
TEL
0771-82-2002 |
代表者 |
黒井衛氏 |
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20 |
創業 |
1979年 |
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WEB |
https://www.tambawine.co.jp/ |