- 2008年
生育期の降水量が平年より少なく、積算日照時間はやや多め。積算温度は平年並み。葡萄の成育にとっては非常に良い傾向となった。収穫時期(9月)の降水量は少なく、台風被害もなし。


テイスティングコメント
色 |
明るい淡い緑がかった黄色。清澄度・透明度ともに良好。ディスクは中程度。脚の形成早く粘性は控えめ。 |
香 |
ボリュームは中程度。ショウガ、アーモンドの香りとともにシェリーを思わせる熟成香が複雑に絡み合い幅がある。 |
味 |
軽快なアタック。イキイキとして活力があり、酸がシャープで存在感がある。ふくらみを持った果実味は凝縮しておりボリュームがあるが、酸が全体を引き締めており、長期熟成ではあるがフレッシュな印象の辛口。きめ細かい泡は柔らかく余韻は長い。アフターにオレンジの皮を連想させる苦味がアクセントになっておりエレガント。 |
食 |
旨みのある魚介類、あゆの塩焼き、魚貝のアヒージョ、レモン塩で頂く魚貝の天ぷらなど。 |
食を引き立てる、バイプレーヤー
京都の食風土に寄り添う繊細なワイン造りの「丹波ワイン」は、1979年に先代の黒井哲夫氏が一から始めたワイナリー。廃業となった日本酒蔵を引き受け、そこから試行錯誤で手造りして始まります。1980年代にはワインの評価も上がり国際コンテストで受賞多数、スパークリングタイプが、フランスのコンクールで受賞もしています。
繊細な食を邪魔しない、引き立て役に徹する優しいワイン、当時から引き継ぐ理念。食材の宝庫と呼ばれる京丹波にワイナリーを構え、繊細な京食材の味を重視し「脇役」スタイルは、インパクトや個性重視の「主役級」現代ワインとは違う、食事シーンの演出家のよう。
現代表の黒井衛氏は、もっと日常にワインを楽しんで欲しいと、柔らかで繊細なワイン造りに女性の感性を生かしています。エノログ(醸造家)の内貴麻里氏をはじめ、多くの女性がこの優美な味わい造りに携わっており、このワインに多くの女性ファンがいることも肯けます。
「日本の食には強い飲み物は似合わない、ビールのような感覚でもっとワインに親しんでほしい。」そう語る黒井氏。
そんな寄り添うワイナリーに存在する強いこだわりのスパークリングは、一見似つかわしくないように思えます。京都といえば隠れ家のような名店が数多い所、格の合うようなワインもそっと大事に造っているのかもしれません。
15年熟成のシャンパーニュ方式の本格派、日本の食事をイメージして造られたリースリング主体の上質繊細なテイストが、この価格では安いのではないかという気になる優れた発泡ワインです。輸入メジャーブランドのノンヴィンテージシャンパンとは比較になりません。
西山泰弘(PSCワイン担当・シニアソムリエ)
「丹波ワイン トラディショナル 2008 750ml」について
原材料名 |
葡萄(京都産)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
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原料葡萄 |
リースリング62%、ピノ・グリ15%、トレッビアーノ10%、
ショイレーベ3%、セミヨン2%、その他、合計12品種 |
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2020年デゴルジュマン |
アルコール度数 |
12% |
ブレンド
及び保存環境 |
12種
瓶内二次発酵
定温倉庫内瓶熟成 |
容量 |
750㎖ |
ヴィンテージ |
2007年 表記なし |
生産本数 |
およそ 130本 |
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「ワイナリー」について


会社名 |
丹波ワイン株式会社 |
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TAMBA WINE Co.,Ltd. |
住所 |
〒622-0231
京都府船井郡京丹波町豊田鳥居野96
TEL
0771-82-2002 |
代表者 |
黒井衛氏 |
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20 |
創業 |
1979年 |
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WEB |
https://www.tambawine.co.jp/ |